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第五章 一生懸命にパフォーマンスする姿1

Penulis: ひなの琴莉
last update Terakhir Diperbarui: 2025-01-17 15:10:53

第五章 一生懸命にパフォーマンスする姿

今日はCOLORのライブだ。

朝から楽しみだったが、久しぶりに外へ出るので緊張する。大くんを見送った。

日中は掃除をして洗濯をして落ち着かない時間を過ごす。

午後からはインターネットで料理の勉強をする。

「ああ、いつまで出社できないのかな」

このままだと、退職することになるのではないかと不安になっていた。一生懸命働いてきたから職場を失うのは切ない。やり残したこともある。

仕事を失ったらどうやって生きていけばいいのだろう。

時間になり外出の準備をする。

あまり目立たないようにグレーのワンピースを着て黒いコートを羽織った。

帽子も被ってサングラスなんかしてみる。

「似合わない……」

鏡を見るとかなり怪しいけど、雑誌の記者に追いかけられるのは怖い。変装をして存在を隠した。

本当は大好きな大くんのライブだからお洒落したいところだけど、我慢しなきゃ。

地味で存在感を消した格好をしたおかげで、コンサート会場までバレずにたどり着けた。

安心して関係者席に座っていると、大くんの事務所大澤社長が来て、私の隣の席に座る。

「美羽さん」

「は、はい……」

「今後の大樹の人生を頼むわね。もしかしたらまったく売れなくなるかもしれないけど、どんな時も支えてあげてほしいの」

「わかりました」

今までは目の敵にされていたけど、今日はすごく優しい目をしている。

「事務所としても大きな決断よ。でも、紫藤大樹の持っているタレント力を信じることにする。あの子が私の夢を叶えてくれた人だから」

「……夢、ですか?」

「芸能事務所を作って世の中にタレントを送り出して、人々がエンターテイメントを楽しむお手伝いをしたい。……これが、夢だったの。事務所が成功したのはCOLORのメンバーのおかげなのよ。だから、今度は彼らの夢を叶えてあげたいの」

ライブ会場であるドームには、ほとんどお客さんが埋まっていた。

「大樹の夢は温かな家庭を作ること。赤坂は絵がうまいの。個展を開きたいんだって。黒柳は自分で作詞作曲をしてプロデュースしたいんだって」

「皆さん、素敵な夢ですね」

「美羽さんは……?」

「そうですね」

できることなら大くんの赤ちゃんを産みたい。その夢は叶う日が来るのだろうか。

「いっぱいあります」

「そう。お互いに叶えていきましょうね」

「はい」

「そろそろはじまるわよ」
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    美羽side結婚パーティーを無事に終えることができ、私は心から安心していた。 私と大くんが夫婦になったということをたくさんの人が祝ってくれたのが、嬉しくて ありがたくてたまらなかった。 しかし私が大くんと結婚したことで、傷ついてしまったファンがいるのも事実だ。 アイドルとしては、芸能生活を続けていくのはかなり厳しいだろう。 覚悟はしていたのに本当に私がそばにいていいのかと悩んでしまう時もある。 そんな時は大きくなってきたお腹を撫でて、私と大くんが選んだ道は間違っていないと思うようにしていた。自分で自分を肯定しなければ気持ちがおかしくなってしまいそうになる。 あまり落ち込まないようにしよう。 大くんは、仕事が立て込んでいて帰ってくるのが遅いみたい。 食事は、軽めのものを用意しておいた。 入浴も終えてソファーで休んでいたが時計は二十三時。 いつも帰りが遅いので平気。 私と大くんは再会するまでの間、会えていない期間があった。 これに比べると今は必ず帰ってくるので、幸せな状況だと感で胸がいっぱいだ。 今日は産婦人科に行ってきて赤ちゃんの性別がはっきりわかったので、伝えようと思っている。手作りのケーキを作ってフルーツの中身で伝えるというささやかなイベントをしようと思った。でも仕事で疲れているところにそんなことをしたら迷惑かな。 でも大事なことなので特別な時間にしたい。

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    「そんな簡単な問題じゃないと思う。もっと冷静になって考えなさい」強い口調で言われたので思わず大澤社長を睨んでしまう。すると大澤社長は呆れたように大きなため息をついた。「あなたの気の強さはわかるけど、落ち着いて考えないといけないのよ。大人なんだからね」「ああ、わかってる」「芸能人だから考えがずれているって思われたら、困るでしょう」本当に困った子というような感じでアルコールを流し込んでいる。社長にとっては俺たちはずっと子供のような存在なのかもしれない。大事に思ってくれているからこそ厳しい言葉をかけてくれているのだろう。「……メンバーで話し合いをしたいと思う。その上でどうするか決めていきたい」大澤社長は俺の真剣な言葉を聞いてじっと瞳を見つめてくる。「わかったわ。メンバーで話し合いをするまでに自分がこれからどうしていきたいか、自分に何ができるのかを考えてきなさい」「……ありがとうございます」俺はペコッと頭を下げた。「解散するにしても、ファンの皆さんが納得する形にしなければいけないのよ。ファンのおかげであなたたちはご飯を食べてこられたのだから。感謝を忘れてはいけないの」大澤社長の言葉が身にしみていた。彼女の言う通りだ。ファンがいたからこそ俺たちは成長しこうして食べていくことができた。音楽を聞いてくれている人たちに元気を届けたいと思いながら過ごしていたけれど、逆に俺たちが勇気や希望をもらえたりしてありがたい存在だった。そのファンたちを怒らせてしまう結果になるかもしれない。それでも俺は自分の人生を愛する人と過ごしていきたいと考えた。俺達COLORは、変わる時なのかもしれない……。

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